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消費者庁はこのほど、自宅に押しかけた事業者に貴金属等を強引に買い取られるといった被害が急増(平成23年度相談件数4142件)したため、「訪問購入」の規制を盛り込んだ「特定商取引に関する法律の一部を改正する法律」(平成24 年法律第59 号)を国会に提出、8月10 日の成立を受け、同月22 日に公布した。
特定商取引法では、誰でも、特定商取引法に違反する悪質な事業者について国や都道府県へ情報提供し適当な措置をとるように求めることができる(申出制度)。
改正法は、公布後半年以内に施行することとなっており、施行までの期間において、規制の適用除外となる物品又は取引態様の検討を行う。改正法に係る訪問購入規制の適用除外の対象とすべき物品及び取引態様について、消費者庁及び経済産業省で国民から意見を募集する(期間8月31日~9月21日)。
特定商取引に関する法律は、「訪問販売」、「電話勧誘販売」など、消費者トラブルが生じやすい特定の取引類型を対象に、トラブル防止のルールを定め、事業者による不公正な勧誘行為等を取り締まることで、消費者取引の公正を確保し、消費者の利益を守るための法律。
今回の「改正法」により、事業者が訪問購入を行う全ての物品に対し、売主である消費者が8日以内であればクーリング・オフによる契約解除ができるようになるほか、契約締結後であっても、クーリング・オフ期間内であれば物品の引渡しを拒絶することができるようになる。また、書面交付義務をはじめとする様々な規制が事業者側にかかる。
重要なポイントは、「買い取りを依頼していない消費者」に対し、業者が営業所以外の場所で勧誘する行為を禁じた点。消費者が買取りを希望、査定額に納得し売却を承諾した場合は対象とならないが、迷っている消費者を説得することは禁じられる。当初、検討段階では、対象物品は貴金属など被害相談の多いものを指定する仕組みだったが、国会提出後に原則すべての物品とし、幅広く規制した。
今回の規制について経済産業省・産業部消費経済課の担当者は、「訪問購入に係る『消費者トラブル等のおそれがない』と認められる物品については政令で対象から除外となる可能性はある。現在、消費者庁のホームページで『特商法における訪問購入規制の適用除外についての意見募集』を行っている。現段階で中古車買い取りが対象になるか否かは正式に決定していない」と回答があった。消費者庁の見解はさらに厳しく、同改正法を提出した担当者は、「判断力がない高齢者に対し、悪質な貴金属の買い取りを行う業者に対する規制からこの法律の検討に入ったが、原則、中古車の買い取りは規制対象と考えている。見積もりを依頼した消費者が、査定後にはっきりと売却する意思を示していないにもかかわらず、買取り業者が『売ってください』などと無理に説得に当たった場合、『不招請勧誘禁止法』に該当する。現在中古車の買い取りについて、消費者の苦情が全く無いとはいえない。法律の施行は半年以内なので、クーリング・オフを守った中古車の買い取りを行っていただくことになる。業界から見れば厳しいと思われるかもしれないが、消費者保護が目的なので査定した8日後に車の引き取りと支払いを行うなど、今までの買い取り方法を工夫して頂きたい」としている。
中古車の場合は、大半がディーラーなどと競合でユーザーの納得後に売却されており、買い取り後にキャンセル(返金)を申し出るケースは少ない。クーリング・オフ期間中(8日間)手元に置くことを希望した場合、買い取り業者も再度引き取り作業(陸送)などが必要なため、実費分の減額(諸経費)が行われる可能性が高い。結果、これまで通り査定時に売却するユーザーが多数を占めると思われる。しかし、規制対象とされるだけでも消費者から「買取店」の印象はよくない。規制の有無に関わらず、中古車買取店は「買い取り時の対応」について社員教育を徹底することが急務である。
【改正特商法概要】
●クーリング・オフ適用
購入業者が営業所等以外の場所において物品につき売買契約を締結した場合、書面を受領した日から起算して8日を経過した場合を除き、消費者はその売買契約の申込みの撤回又はその売買契約の解除を行うことができるものとする。また、同期間中に第三者へ物品を引き渡した場合には、売り主の求めの有無などに関わらず、第三者への引き渡しに係る情報について売主に通知を行う。
●物品の引渡しの拒絶
売り主に対し、物品の引き渡しの拒絶が可能であることの書面記載を義務付け、引き渡しの際の不実告知や威迫、困惑などが禁止された。
売買契約の相手方は、書面を受領した日から起算して8日を経過した場合を除き、訪問購入に係る物品の引渡しを拒むことができる。
●契約解除等に伴う損害賠償等の制限
購入業者は、訪問購入により、売買契約の相手方と物品につき当該売買契約を締結した場合において、損害賠償額の予定等があるときにおいても、定額を超える金額の支払いを売買契約の相手方に対して請求することができない。
●罰則
違反した場合は、消費者庁が業務停止命令を出し、ホームページなどで企業名と詳細な内容を公開する。悪質な場合は、懲役や罰金の対象とする。
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